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『人に教える』ときに意識したいこと

こんにちは!株式会社エイチームライフデザインでSEOスペシャリストをしている高橋 成直です。

新入社員や後輩社員への教育など、人数に大小はあると思いますが、少なからず「教育」する側にある人は多いと思います。

そこで本記事では、これまで教育をしてきた経験をもとに、私が考える「人に教える」ときに意識しておきたいことをまとめていきます。

前提条件

本記事は「少ない人数に対して教育をする立場にある人」視点での記事になります。
新入社員研修や教育現場など、数十人に対して教育をするような立場から見ると一概に合致しない部分があるのをご留意ください。

大切なことは「その人」に合わせること

「教育」という言葉を聞くと、テンプレートや決まったカリキュラムに基づいて教えるイメージが強いかもしれません。

私も初めはその方法で進めていましたが、実際に実践してみると、なかなかうまくいきませんでした。

最も大きな理由は「面白くない」と感じたことだと考えています。

興味を持っていない内容を学ぶのは、当然面白くないです。教える側も学ぶ側も楽しさを感じられず、気がつけば眠気が襲ってきます。

カリキュラムというものは、大人数の生徒を対象とした場合には有効かもしれませんが、少人数の場合、もっと「その人」に合わせた教育を提供すべきだと感じました。

具体的には、生徒の「このスキルで何を達成したいのか」「どのような人間になりたいのか」といった意向をしっかりとヒアリングすることが大切です。

一方的な教育は、初学者の成長を妨げる可能性があります。教育者として、生徒一人ひとりに合わせることの重要性を常に意識するべきだと思います。

自分の得意なことだけに固執しない

人に教育する際に困る瞬間があります。

それは、相手が「自分には難しい」と感じる目標を持っている場合です。具体的には、「面白いゲームを作りたい」という要望がそれに当たります。

初学者が作成するゲームの典型的な例としては、オセロが挙げられます。ゲーム入門の教材にもよく取り上げられているのを見かけますが、その人にとってオセロは特に興味がないこともあります。

彼らは、スマブラやマイクラのようなゲームを作りたいと考えています。そういった人々にテトリスやオセロを作成させるのは、あまり意味がありません。

確かに「ゲームの基本から」という意見もあるでしょうが、初学者にはその理由が伝わりにくく、また興味も湧かないでしょう。それにも関わらず、多くの教育者は初めにテトリスやオセロの制作を推奨します。

その理由は、教育者自身が「作ったことがある」場合が多く、自分の得意とする範囲での教育を行う傾向にありがちだからです。テトリスやオセロに関するサンプルコードは豊富に存在し、指導もしやすいですから。

しかし、教育する側の都合で学び手の目標を遠ざけるのは適切ではないと考えます。この例でいくと「スマブラやマイクラを作りたがっているのであれば、最初からスマブラやマイクラの作り方を教える」べきだと考えます。

一緒に考えて、一緒に調べる

「自分にもわからない」問題に直面した際、簡単に「私には答えられないので、他の人に尋ねてみてください」と返答することは容易です。

実際、私自身もそのような対応を過去に取ったことがあります。しかし、そのような返答を受ける側は当然ながら困惑してしまいます。誰に相談すればよいのか、どのように問い合わせるべきなのかさえも分からない場合が多いからです。

その結果、行動を停止してしまうことがしばしばあります。
したがって、教育する側としては、少なくとも学び手が目指す目標を達成するための調査方法やアプローチについて共に考え、アドバイスするところまで付き合う必要があると思っています。

確かに、時間がかかることもあり、一部の人々には面倒に感じられるかもしれません。しかし、そのような努力を面倒だと感じる人は、おそらく「教育者」としての役割に不向きだと考えます。

とりあえず動く(理想が実現できる)ところまでは付き合う

可能であれば、教育する側はその人がやりたかったことは最低限実現できるようになるまでは付き合うべきです。
だから最初に「何がしたいのか」をヒアリングするのが最も重要だと思っています。

「何をしたいか」が明確でない人を尊重する

「何をしたいか具体的にはわからない」という方もいらっしゃいます。多くの場合、そのような方はまだ必要な知識や経験が十分でないことが原因です。

そういった方に対して上から目線で「何がしたいの?」と問うのは、かなり不快に感じることがあるでしょう。少なくとも私はそう感じます。

そのため、私は「何をしたいか」が明確でない人に対して、自分が面白いと感じることやアイディアを提案するよう心掛けています。

Pythonって便利って聞くけど何ができるの?という人であれば「Pythonを使うと、こんなことができるんだよ」というデモンストレーションをまず行います。ただし、その際には、相手が興味を持ちそうな内容を選ぶことが重要です。

コンテンツ制作を行っている方に対しては、関連するデモを提示すると良いでしょう。(例えば、記事の執筆者に「AIを使って人の画像を生成できます」というデモを見せても、あまり意義がないかもしれません。)

熱心にデモを行っても、それが相手の興味を引かない場合は、技術的な話題から離れ、コミュニケーションを重視するアプローチも考慮すると良いでしょう。

技術用語はわかりやすい言葉に置き換えて説明する

例えば「クラウドコンピューティング」という言葉だけではピンとこないかもしれませんが、「他人のコンピュータを利用すること」と言い換えると理解しやすくなります。

「クロールバジェット」という言葉も、「Googleのボットの体力ゲージ」という形で説明すれば、イメージしやすくなるでしょう。

日常的に専門用語を使用していると、相手が理解していないことに気づかないことがあります。質問してくれる人は良いのですが、何となく流してしまい、理解したと勘違いする人もいます。そのため、可能な限りわかりやすい言葉で補足説明を加えることが望ましいです。

「正確な用語を使わないと意味が伝わらない」との意見もあるかもしれませんが、初学者の場合、「正確さ」よりも「わかりやすさ」を優先するべきだと考えます。

長所を活かす、長所と結びつける

どれだけ上手に教えても、受け手が理解できない場合があります。
その際、自分を責めるのも一つの方法ですが、相手の長所を活かして教えるアプローチを取るのも有効です。

例えば、絵を描くのが得意な人に形態素解析の仕組みを理解させようとするのは効果的でないかもしれません。その場合、画像を自動で収集するコードの仕組みを教える方が適しているかもしれません。

相手の特性や長所を深く理解し、それを現在教えている内容と結びつけることで、新たな理解の突破口を開く可能性が高まると考えます。

学びの中で好奇心を刺激する工夫をする

当然のことながら、楽しみながら学ぶ方が双方にとって有意義な時間といえるでしょう。

しかし、これは必ずしも笑いを取るような方法を求めているわけではありません。むしろ、学ぶ内容が知的好奇心を刺激するように工夫することが大切だと考えます。

結局のところ、スキルの向上は個人の努力によって実現されるものです。

自ら進んで学びを深める人が最終的には最も成長します。その成長の可能性を高めるために、教える側としては学び手の好奇心を引き出すような方法を取り入れると良いと思います。

さいごに

人に何かを教えていると、その人の色々な側面が見えてきます。

何回教えてもうまくできない人や、一度教えただけで実践できてしまう人など、成長の仕方は人それぞれです。

折角お互いの時間を使うのですから、少しでも有意義な時間にするためにも教える側が工夫できるところは時間を惜しまず実践していきたいですね。


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