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記事外注の高品質化!外部ライターの育成方法とディレクションのコツ

株式会社エイチームライフデザインで、人材領域ライフエンディング事業のコンテンツマーケティングを担当している小野寺です。

記事の制作やリライト、オウンドメディアの運営には、外注ライターさんの力が不可欠ですが、記事を外注したことがある方であれば、一度は以下のように悩んだことがあるのではないでしょうか。

「外注ライターさんとのやりとりに工数がかかってしまう」
「期日に追われて、結局自分で手直ししてしまっている」

このような状態を続けてしまうと、工数や外注費用を使ってるわりに全然記事の順位が上がらない残念な状況になってしまいます。
より良い記事制作体制をつくるために、私が実際に外注ライターさんの育成で工夫したことについてご紹介します。

解決したい課題:記事の品質向上

なぜ記事の品質改善に着手したかというと、以下のような状況になってしまったからです。

  • 対策キーワードの検索結果順位が下がってしまった

  • 上位にランクインできても順位が安定しない

スピード重視で記事を量産したとしても、品質が伴わなければいずれこの問題にぶつかってしまいます。
また昨今では、ChatGPTなどの文章生成AIが普及してきているため、そこそこの品質の記事は誰でも比較的かんたんに作れるようになってきています。

そこで私は、「外注ライターの方々のリソースを使って記事を書くからには、品質にこだわっていかなければ人の手でつくる価値が出せなくなってしまう」と考えました。

外注ライターさんの育成方針を決める

記事ごとの品質、つまり「外注ライターさんやディレクターさんが異なることによる記事品質の差」は、多数のライターさんを抱えるメディアであれば気にかかる問題でしょう。

今回は、外注ライターさんのリソースを使って以下の2つの観点で記事コンテンツの品質改善をしていくことにしました。

  • Needs Met
    ユーザーのニーズ(検索をした意図)を満たせているか。
    Googleの検索品質評価ガイドラインに記載されている評価軸。

  • 掲載情報の充実度
    深掘りした情報を提供できているか。
    記事の読者にとって真に役立つ情報を提供できているか。

やみくもに品質改善を進めるよりも、このように対策ポイントを絞ることが大切だと思っています。
自社の記事のどういった部分に改善余地が大きいかは、キーワード分析や、競合とのコンテンツとの比較などをした上で判断することをおすすめします。

品質の高い記事に必要な要素

私が思うに、SEO視点で品質の高い記事を書くためには、以下の要素が必要だと考えています。 

品質の高い記事に必要な要素

上記要素をベースアップをすることで、はじめは時間がかかるものの、中長期的にはSEO担当者が求める品質をつくれるようになっていきます。

私が担当した外注ライターの方々は皆さん商材知識がしっかりとある状態だったため、今回は 「キーワード分析力」(スキル面) の強化と、 「熱量」(マインド面) の底上げをすることにしました。
※Webライティングスキルは、そもそも外注ライターとして活動されるうえでの大前提なので、ここでは割愛します。

補足ですが、キーワード分析から骨子の作成をSEO担当者やディレクターで行うケースもあると思いますが、そこは事業フェーズや対策キーワードの難易度にもよると思います。

もし分業で進める場合であっても、外注ライターさんにはキーワード分析結果を踏まえたライティングをしてもらうことが望ましいです。

スキル面:キーワード分析力の向上

分析方法を一から十まですべてを説明するのは大変なので、こちらでベースを用意し、各外注ライターさんが応用できる状態をつくることにしました。

ベースとなるペルソナとユーザーニーズを共有

サービス利用者の基本的なペルソナとニーズを事前共有し、外注ライターさんには対策キーワードごとに「このキーワードを検索した人ならでは」の分析のみに集中してもらいます。

新しい外注ライターさんを迎える際のオンボーディング資料としても役立ちます

分析項目をフォーマット化する

自分が行っている分析手法を外注ライターさんが再現できるように、フォーマットに落とし込みました。

私は、記事品質を高めるためには「定量」「定性」「競合との差分」の3つの観点での分析が不可欠だと考えています。
フォーマットに沿って入力をしてもらうことで上記観点の分析ができ、分析ログが残せるかたちにしました。

ライティングを始めてもらう前にこの分析をしてもらうことで、外注ライターさん自身にコンテンツ内容のイメージを膨らませてもらいます。

コンテンツ内容の方向性すり合わせを行う際には、「分析結果がこうだったので、こういった内容にしましょう」などと、この資料を元にした建設的なやり取りをするように心掛けています。

外注ライターさん独自の視点による気付きを書いてもらうコーナーも設けており、よりよい意見を吸い上げる機会にもなっているのがポイントです。

また、骨子や記事を検収する際にも、この分析資料に立ち返ってフィードバックすることができ、自分の業務の時短になります。
多くの外注ライターさんや記事数を抱えるメディアにおすすめです!

マインド面:外注ライターの熱量の向上

「品質を良く」「ユーザーのために」といった抽象的なリクエストでは、外注ライターの方々は具体的にどうすればいいか困ってしまうでしょう。

これを解決するためには、しっかりと方向性を示すことが重要です。 
以下のような記事品質の課題を解消したい場合に、ぜひ試してみてください。

  • 記事の内容が当たり障りのない一般論に終始してしまっている

  • 自社よりも競合の記事の方が全体的に品質が良いと感じる

※ここからは少々、感情を打ち出した話になります。

品質の定義をする

まず始めたのは「記事の "品質が良い" とは何か」を定義することでした。
この定義がないままでは、個人の見解や精神論によって内容の良し悪しがバラついてしまいます。

そこで、「我々が記事に求める品質」を言語化してまとめて、外注ライターさんに伝えることにしました。

上記に加えて、「具体的なルール」や「目指す品質の具体的な記事サンプル」なども提示できると、品質に対する解像度をさらに高めることができます。

基本のマインドセット

発注側と外注ライターさんで、コンテンツ制作に対する目線を揃えておくことが大事だと考えています。

そこで、良い品質の記事をつくるために、「どういうスタンスでライティングをして欲しいのか」ということも言語化して伝えることにしました。

極論、 あなたの大事な人がペルソナだった場合に、あなたは「何を」「どう」伝えますか? という整理をすることが大事だと思っています。

どのような事業やサービスであっても、人の手で書くことの価値は、これをどこまで徹底的に考えられるかに尽きると思います。

また、「単に競合の記事を真似し、編集するだけの作業はメディアとしてしたくない」という、発注者の意思表明にもなります。

ティーチングだけでなくコーチングでも接する

発注者が行うフィードバックの内容やコミュニケーション次第で、外注ライターさんからの提案や意見の量が変ってきます。

特に、キーワード分析や骨子作成などの段階では、指示ではなく質問を投げかけるようにし、 外注ライターさん自身が考えて意見を述べられるようにしています。
「作業指示通りにやればいい」ではなく、「外注ライターさんの自己意思で決め、納得性を持ってもらう」という流れにすることも大切です。

何でもかんでもコーチングスタイルにはできませんし、最初はラリーがかさむことがありますが、何度か繰り返すと、「こういうポイントだけ押さえて、後はよしなに直してください」という任せ方ができるようになってきます。

スムーズに仕事を進めるためには、初めは時間をかけてでも、コーチングをする癖をつけるようにしましょう。

また、コンテンツの正解は一つではないので、指示を入れるにしても「私はこういう考えでこう提案しますが、もっといい案があればこれに限りません」というスタンスで接することが大切だと思っています。

外注ライターさんを指示待ち人間にしてしまうのではなく、対等に向き合っていくことを心がけましょう。

その関係性ができていけば、外注ライターさんがこれまでになかった工夫を加えるなど、時にはSEO担当者の期待を良い意味で超えてくれる能動的な行動が増えたりもします。

良好なビジネス関係性を築くのも忘れずに

今回対策したスキル面やマインド面の育成は、継続して仕事を依頼できる相手でなければ実現が難しい取り組みです。

中長期的に仕事を受けてもらえるようにするには、外注ライターさんにとってよいビジネスパートナーになってあげることが大切です。

「スムーズで効率の良い業務進行体制を築いていきたい」という近い将来の目標を伝えた上で、初めのうちは学習労力やコミュニケーションコストをかけたいと相談をしてみましょう。

また、人と人のコミュニケーションを円滑にすることは、ディレクション担当者の基本スキルでもあります。
外注ライターさんのやる気を維持することも大切なことです。

  • チャットやメールのレスポンスは早く

  • 良いところはちゃんと言葉にして褒める

  • こちらに落ち度があったら認める&謝る

  • 発注や支払いは明瞭かつクリーンに

  • 進行中の案件だけでなく先のスケジュールも話す(発注量を安定させる)

以上が、私が記事制作ディレクションで工夫をしていることです。

周りが自走しやすい環境を整えることがポイント

当たり前の内容も多いのですが、SEO担当者が楽をするためには、自分が持っているボールを多く手放せるように動くことが重要です。

「楽をする」というのは極端な表現ではありますが、たくさんの人の手を借りて、早く事業が成長できる体制をつくることが、ディレクション冥利に尽きると思っています。

スキル面にしてもマインド面にしても、クオリティを高め続ける環境をどう構築していくか、これからも考え続けていきたいと思います。

ちなみに、当社は複数のメディアを運営しているのですが、記事制作のディレクション方法は全社統一されたものではなく、事業ごとに工夫がなされています。
同じコンテンツマーケティング部である間さんの記事「記事の品質向上と管理体制を整えるために行った3つのこと」も参考になるのでおすすめです。

株式会社エイチームライフデザインは、多岐に展開している事業のいいところを共有し合える社内環境になっています。
新しい職場でコンテンツマーケティングやSEOをやってみたいという方は、ぜひ一緒に働きましょう。
採用情報|株式会社エイチーム

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