画像SEOの「真の対策効果」とベストプラクティス
エイチームライフデザインでコンテンツマーケティング / SEO領域のマネージャーをしている河田 剛です。
今回は、意外と皆さんの盲点かもしれない、画像を用いたSEOのベストプラクティスについて私説を書きます。
画像は「最も身近なリッチコンテンツ」でありながらも、テキストやWebアーキテクチャほどは、熱心にSEOがされるケースは少ないと感じます。
そこで本記事では、独自に調査した結果や弊社サイトの記録もお見せしつつ、データで画像SEOの効果を体感できる内容を提供したいと思います。
幅広いプレイヤーの方々にお役に立ちますように!
本記事に掲載しているのは個人の調査結果と、観測した範囲のデータ分析における傾向です。
Googleの公式発表が無い情報も含みますので、混同されないようご留意頂けますと幸いです。
また、記事はSEOの基本的な知識を有している方を想定して、内容の記載をしております。
「文章」と「画像」の検索結果の相関性
はじめに、非常に興味深いデータを1つ共有します。
私たちが通常Googleで検索した際に見る「文章(URL)の検索結果」と、「画像検索したときの結果」には、一定の相関性が見られます。
※「文章検索」という言葉は一般的ではありませんが、本記事では画像検索と区別をするために便宜的に用います
以下は、同じクエリで文章検索と画像検索をした際に
文章検索をした際の検索順位(X軸)
X軸の各順位にヒットするドメインから画像検索に出典される画像の平均枚数(Y軸)
を並べたグラフです(n=30)。
上記グラフから読み取れる傾向として、あるクエリで文章検索をした際に上位化しているドメインほど、同じクエリで画像検索をした際により多くの画像の出典元となることがわかります。
つまり、「A」というクエリの文章検索で評価されているサイトは、「A」の画像検索でも評価されやすい、というわけです。これを頭に入れてもらうと、次の話が汲みやすいかと思います。
「文章検索の評価」が「画像検索の評価」を生む?それとも逆?
前段の話では、文章検索で評価を受けたドメインが、画像検索でも優遇されているように見えますが、私はその「一方通行な評価ロジック」だけではないと考えています。
逆に、画像検索で評価を受けたドメインが、文章検索でも評価され始めるというケースもあるのではないか?ということです。なぜなら、テキストは何も変えずに、画像の追加をしただけで文章検索の順位が上昇した事例を、何度も見てきているからです。
もちろん、そういった事例の場合はほぼ必ず、追加した画像が画像検索の結果にも表示されるようになることを確認しています。なので、文章検索と画像検索の一方の評価は、もう一方の評価にも寄与すると考えています。
そして一般的に、私たちが対策のウェイトを置くのは文章検索です。ここまでの考えを踏まえると、あるクエリで文章検索での上位化を図るなら、そのクエリの画像検索へヒットしやすい画像を充実させてはどうか?と仮説が立ちます。
<「A」というクエリで文章検索の上位化を図るなら… >
「A」の画像検索で評価されている画像の傾向を掴む
自サイト上へ「A」の画像検索にヒットする画像を拡充していく
「A」の文章検索でも自サイトが上位化していく(はず)
前置きが長々としてしまいましたが、仮説をまとめると上記のとおりです。私はこれが、画像のSEOを行う「真の対策効果」かもしれないと感じています。
よってここからは、画像検索で良い評価を受けるためにはどうしたら良いか、という具体的な手段を講じていきます。
画像SEO① 画像についても「ニーズ」を捉える
テキストコンテンツのSEOで誰もが「検索者のニーズ」を考えるように、画像に関しても、「画像で検索する人のニーズ」が存在していることを考える必要があります。
同じクエリを検索する場合でも、文章でアンサーを見たい人、画像で見たい人、動画で見たい人…とインサイトは様々ですね。画像には画像ならではの情報整理や表現方法があり、そこへ向けられるニーズを的確に捉えることがSEOの1つの手段です。
画像検索のニーズについては、具体的な検索結果の例で見ていきましょう。
例)金額に関するクエリは「料金表」
上記の数例のように、「費用」「料金」「相場」…といった金額に関するクエリであれば、「料金表」や「内訳明細」といった形式の画像がヒットしやすいです。
例)比較に関するクエリは「比較表」や「象限図」
「商品やサービスについて比較したい」というニーズのクエリについては、
定量的な要素でまとめられた「比較表」や、各プロダクトの特徴をプロットした象限図がヒットしやすいです。
例)Howに関するクエリは「フロー図」や「スケジュール」
何かしら物事を進める手段や流れを調べるクエリの場合は、その進め方をフローにしたり、時系列に起こしたりした画像が評価されます。
以上、わかりやすい例をいくつか挙げました。
記事コンテンツを書く人なら、テキストに求められるニーズと画像に求められるニーズの相関についても、感覚を掴んでもらいやすいと思います。
文章だけでは読み手に情報を受け渡しづらかったり、情報を把握するまでの時間的なコストが要るアンサーは、積極的に画像を用いると良いでしょう。そして、「どういう画像がアンサーに適しているか」は、画像検索の結果からも読み解くことができるのです。
画像SEO② Googleが推奨する最適化を図る
Google画像検索に関する仕組みや周辺技術、公式のアナウンスを知っておき、画像検索への最適化をするのが2つ目の手段です。
誰でも簡単に行えるものから、少し技術的な要件が高いものまで一挙に紹介していきます。
画像へのalt属性の指定や構造化データのマークアップを行う
基本中の基本かもしれませんが、もし画像(=imgタグ)のalt属性が空であれば指定します。画像が増えれば増えるほど、alt属性が指定されていない画像も現われやすいので、定期的なチェックができると良さそうです。
alt属性は本来、Webページのアクセシビリティの役割を担っていますが、Google検索が「何が描かれている画像なのか」と理解する一助でもあります。正確に、その画像の内容を要約して指定しておきましょう。
また、適切な構造化データを画像に付与することは、さらにGoogleが画像の内容を理解する助けになります。画像に関する構造化データは様々なタイプがあるので、自サイトのコンテンツに適したものが無いか探してみましょう。
画像ファイル名はシンプルで意味のあるものを設定する
こちらも基本ですが、アップローダーなどを使用していると機械的なファイル名が付与される場合もあるので、シンプルかつ、Googleが意味を理解しやすい語句でネーミングすると良いでしょう。
上記は、Webページの最適なURL構造について言及するGoogleの公式ドキュメントですが、画像のファイル名についても同様のアクションが推奨されます。
OCRの技術を考慮する
Googleは、OCR(意訳すると:画像内の文字列を識別する技術)の分野でも先進的な企業の1つです。ようは、「画像ファイル内にどういった文字列が記載されているか」をGoogleに伝えられるということです。
対策をするなら、「画像に可読性の高い文字列」を入れましょう。実際に、画像に入っている文字をGoogleが読めるかどうかは、Google Drive等で簡単に調べることができます。
画像に使用しているフォントのスタイルや、文字と背景色のコントラストなどによっては文字検出が上手くいかないこともあるので、疑わしい画像はチェックしてみましょう。
画像のXMLサイトマップを送信する
Googlebotはサイト全体をクロールし、HTML、CSS、JavaScriptなどのWebページのコンテンツを収集しますが、「Googlebot-Image」という画像データ専門のクローラーが別に存在しています。
なので、画像をしっかり検索評価させたい場合は、画像専用のXMLサイトマップの送信し、Googlebot-Imageのアクションを促進しましょう。
画像サイトマップの記述例は、以下のようにGoogle検索セントラルでも紹介されています。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9"
xmlns:image="http://www.google.com/schemas/sitemap-image/1.1">
<url>
<loc>https://example.com/sample1.html</loc>
<image:image>
<image:loc>https://example.com/image.jpg</image:loc>
</image:image>
<image:image>
<image:loc>https://example.com/photo.jpg</image:loc>
</image:image>
</url>
<url>
<loc>https://example.com/sample2.html</loc>
<image:image>
<image:loc>https://example.com/picture.jpg</image:loc>
</image:image>
</url>
</urlset>
高画質な画像を使う
視覚的に優れる画像、つまり、画質の良い画像を用いることも重要なSEOです。
画質、言い換えれば「解像度」は、ある程度をファイルサイズに左右されます。実際に、大きなサイズの画像のほうが検索順位が高いか?を調べたデータは以下の通りです(n=30)。
上記グラフから、横幅(width値, ピクセル)の大きな画像、つまり解像度が高い画像のほうが、画像検索結果における平均順位が高くなりそうだと見て取れます。特に、上位10位内は顕著な印象です。
もちろん、画質の粗さはSEOだけでなく、ユーザビリティや、サイト訪問者に与える印象の毀損にも繋がります。ページの読み込み速度を改善する目的で画像サイズを圧縮することもありますが、それでも最大限、美しい・明瞭な画像を用いるための努力が必要です。
なお余談ですが、高画質な画像を用いることは、コンテンツがGoogle Discoverへ選出される可能性も高めるとのことです。
画像SEO③ 画像の評価傾向と健康状態を抑える
既にサイト上へ多数の画像を掲載しているのであれば、「実際にどういう画像が検索評価されているか?」のデータ傾向を見てみるのも、1つの手段です。
また、「画像がGoogleにどう認識されているか」という健康状態を確認することも、評価の向上のために欠かせないアクションです。
サイトへ掲載している画像のステータスを掴み、次に掲載する画像の最適化に活かす手段を紹介します。
Search Consoleで画像検索のデータを見る
Search Consoleでは、Google画像検索に限定した検索データも見ることができます。
通常の「ウェブ」の検索データと同じように、画像検索におけるクリック数や表示回数、検索順位…といった指標のパフォーマンスが確認でき、自サイト内の「検索評価が高い画像」を特定するのに役立ちます。
なお、このSearch Consoleのデータでは「画像検索における各URLの評価状況」までしか追えないため、そのURL内の「どの画像なのか」という判断をするには、実際の検索結果を見るしかありません。
検索演算子を用いて画像のインデックス状況を確認する
Google画像検索に評価されるためには、画像ファイルが正常にクローリングされ、インデキシング、ランキング…と処理されなければなりません。
「Webページに画像を入れたのにリアクションが無いな?」という場合は、正確に画像のインデキシングが行われているか、検索演算子を駆使してチェックしてみましょう。
検索演算子とは、Google検索で使用できる特殊な検索コマンドのことです。弊社の別担当者が書いた、こちらの記事が参考になるかと思います。
例えば、「site:{チェックしたい画像の掲載元URL}」という検索演算子を用いた検索をすれば、そのURLに掲載されている画像の内、Google検索にインデックスされているものがランキングに並びます。
もし、Webページに掲載したのに画像検索の結果に出てこない画像があれば、何かしら技術的な阻害要因(レンダリングの仕組みやクローラーに対する制限など)が起きている可能性もあり、場合によっては対処が必要です。
画像を使って画像検索をする
Googleがその画像を正しく認識できているか調べるなら、画像ファイル自体を引数にして、画像検索の結果を見てみましょう。
Google画像検索は、画像ファイルをアップロードするか、画像ファイルのURLを指定して検索することで、同一ないし類似する画像を検索できます。
ある画像を引数にした結果を見た際に、その画像(および画像の掲載元のURL)が返って来ない場合は、正しくGoogleにインデックスされていないかもしれません。
まとめ
以下は、本記事のまとめです。
文章検索の順位が高いドメイン内から画像検索への出典が多い
(仮説)文章検索での上位化の一手段として画像検索へのヒットも増やすべきでは?
画像検索へのヒットを増やしていくなら…
① 画像についても「ニーズ」を捉える
② Googleが推奨する最適化を図る
③ 画像の評価傾向と健康状態を抑える
テキストの改善やテクニカルSEOと同様に、画像という身近なリッチコンテンツに対しても、「まだまだ最適化の余地がありそうだ」と感じてもらえると嬉しいです。
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